紹介状を持たずに大きな病院を受診すると、通常の医療費とは別に「特別の料金」がかかることがあります。対象となる病院の条件と金額の目安を解説します。
地図で病院を検索する →選定療養費(正式には「特別の料金」)とは、かかりつけ医などからの紹介状を持たずに大きな病院を受診した場合に、通常の診療費に上乗せして支払う費用のことです。
この仕組みは、大病院に外来患者が集中して待ち時間が長くなったり、勤務医の負担が過大になったりする状況を改善するために設けられました。軽い症状はまず身近な診療所で診てもらい、専門的な検査や治療が必要な場合に大病院へ紹介してもらう、という役割分担を促すことが目的です。
選定療養費は健康保険の対象外で、全額が自己負担になります。3割負担などの仕組みは適用されず、通常の初診料などに上乗せして請求されます。
徴収が義務づけられているのは、次の3つに該当する病院です。
上記に該当しない病院でも、200床以上であれば任意で特別の料金を設定できます。したがって「200床以上の病院を紹介状なしで受診する場合は、料金がかかる可能性がある」と考えておくのが実際的です。
条件で使われているのは一般病床の数であり、療養病床や精神病床を含めた総病床数ではありません。この違いは小さくありません。
本サイトに掲載している7,546件の病院で見ると、総病床数が200床以上の病院は2,257件ありますが、一般病床が200床以上の病院は1,253件です。その差は1,004件にのぼります。療養病床や精神病床を多く持つ病院は、規模が大きくても一般病床では200床に届かないことがあるためです。
病床マップの各都道府県ページでは、一般病床・療養病床・精神病床の内訳を掲載しています。受診を検討している病院がどの区分に該当するか確認する際の参考にしてください。ただし選定療養費の対象かどうかは最終的に各病院の届出によって決まるため、受診前に病院へ直接確認することを強くお勧めします。
出典:厚生労働省 医療情報ネット(2025年12月時点)掲載分を集計
国が定めているのは最低金額で、実際にいくら徴収するかは各病院が独自に設定します。
| 区分 | 国が定める最低額 | 実際の設定例 |
|---|---|---|
| 初診(医科) | 7,000円以上 | 7,700円〜13,200円程度 |
| 再診(医科) | 3,000円以上 | 3,300円〜程度 |
| 初診(歯科) | 5,000円以上 | 5,500円〜程度 |
| 再診(歯科) | 1,900円以上 | 2,090円〜程度 |
最低額は2022年10月の制度見直しで引き上げられました(初診の医科で5,000円以上から7,000円以上へ)。金額には消費税が含まれます。大学病院など、1万円を超える設定をしている病院もあります。
なお再診で特別の料金がかかるのは、病状が安定して他の医療機関を紹介すると申し出たにもかかわらず、引き続き同じ病院を受診した場合です。継続的な治療のために通院している場合に、毎回請求されるものではありません。
出典:厚生労働省「医療機関の機能分化・連携の推進」関連資料/実際の金額は各医療機関の公表情報
次のような場合は、紹介状がなくても特別の料金はかかりません。
対象外となる範囲は病院ごとの運用によっても異なります。判断に迷う場合は、受診前に病院の窓口に問い合わせてください。
紹介状(診療情報提供書)は、かかりつけの診療所や病院で発行してもらえます。診療情報提供料として保険が適用され、3割負担であれば自己負担は750円程度です。選定療養費と比べれば、費用面でも大きな差があります。
紹介状には、これまでの経過や検査結果、服用中の薬などが記載されます。受診先の医師が状況を正確に把握できるため、重複した検査を避けられ、診療がスムーズに進むという利点もあります。費用を抑えるためだけでなく、医療の質という観点からも、まずかかりつけ医に相談することをお勧めします。
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